毛づくろう猫の道しるべ

 高校生活は希莉と柚実のお蔭で、自分の理想とする楽しい毎日を過ごせてると言いきれる。

 一目を置かれるような友達。

 自尊心を満たしてくれて、自分の価値も上がったように思えてくる。

 周りの女生徒たちが、気軽に私と話してくれるのも、希莉と柚実と一緒だからイケてる部類として見て、同じようにあやかりたいからだと思う。

 中学の時は大人しい者達に取り囲まれ、真面目なグループだったが、傍から見れば面白みにかけてどうでもいい存在だった。

 そのため、完全にグループが固定され色んな人と満遍なく話すことは少なかった。

 これも自分がどこに所属しているかで、周りもそれに合わせた態度になるのだろう。

 だからこそ、希莉と柚実の間でふいに感じる多少の違和感があっても、それは慣れてないからそんな風に感じるだけであって、私は実際のところかなり恵まれた状況だと思うようにしている。

「そうだよね、ブンちゃん」

 家ではブンジにいつも愚痴を聞いてもらっていた。

 時々自分の部屋に入れて、ベッドの上に一緒に寝転がる。

 この日も、とりとめもなく思った事を口にしていた。

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