毛づくろう猫の道しるべ
2
全ての授業が終わった後の緩んだ空気が流れる放課後。
思い思いに教室や廊下に生徒が散らばっている。
同じ制服を着ているというのに、ここでは疎外感たっぷりに私は異分子だった。
見知らぬ人ばかりとすれ違い、唯一の頼れる命綱は前を歩いている草壁先輩のみ。
しかし、その命綱ですら、掴んでいいのかわからない。
それでも草壁先輩の背中を見失わないように、必死に私は着いて行く。
すれ違った女子達が何事かと振り返り視線を向ければ、その度に私はどんどん肩身が狭くなった。
二年一組の教室まで来た時、草壁先輩は堂々と中へ入って行った。
でも私の足はそこで急ブレーキをかけ止まってしまう。
そんな私を見かねて、草壁先輩は引き返し私の腕を引っ張って、無理やり中に引き込んだ。
その勢いのまま、窓際でたむろしている男子生徒たちめがけて突き進んだ。
「出渕!」
「おっ、草壁。一体なんだよ。あれっ、千咲都ちゃんも一緒?」
「お前、千咲都ちゃんをメッセンジャーとして扱っただろ」
手に持っていた手紙をひらひらと宙で振っていた。
「あっ、それは」
思い思いに教室や廊下に生徒が散らばっている。
同じ制服を着ているというのに、ここでは疎外感たっぷりに私は異分子だった。
見知らぬ人ばかりとすれ違い、唯一の頼れる命綱は前を歩いている草壁先輩のみ。
しかし、その命綱ですら、掴んでいいのかわからない。
それでも草壁先輩の背中を見失わないように、必死に私は着いて行く。
すれ違った女子達が何事かと振り返り視線を向ければ、その度に私はどんどん肩身が狭くなった。
二年一組の教室まで来た時、草壁先輩は堂々と中へ入って行った。
でも私の足はそこで急ブレーキをかけ止まってしまう。
そんな私を見かねて、草壁先輩は引き返し私の腕を引っ張って、無理やり中に引き込んだ。
その勢いのまま、窓際でたむろしている男子生徒たちめがけて突き進んだ。
「出渕!」
「おっ、草壁。一体なんだよ。あれっ、千咲都ちゃんも一緒?」
「お前、千咲都ちゃんをメッセンジャーとして扱っただろ」
手に持っていた手紙をひらひらと宙で振っていた。
「あっ、それは」