スワロウテイル
1.夢みるチカラ
忘れたころにひょっこりとやってくる春も、あっという間に過ぎ去ってしまう短い夏も、忍びよる冬の気配に怯えるだけの秋も、暴力的なまでの激しさですべてを白く覆い尽くす冬も。

あの町で過ごした全ての季節を。


姿の見えない何かに追い立てられるような焦燥感を、ジリジリと灼けつくような胸の痛みを。


決して忘れることはない。

時の流れとともに淡く甘やかなものに変わってはいくけれど、決して消えることなく胸の奥底に留まりキラキラとした光を放ち続けている。


だからどうか、

今の君だけが受け取ることのできる

この特別な贈り物(ギフト)を

どうか大切に。


ーーあの頃の君へ。







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