さよならはまたあとで
海風と君と
8月某日。
律太と海に行く約束をした日だ。
私はそわそわ気分で出かける支度を始めた。
この日のために買った新しいワンピースを見に纏って、鏡の前に立つ。
嬉しそうな顔をする私の姿がそこにはあった。
髪の毛も、いつもより丁寧に巻いて、少し高めのポニーテールにして。ちょっと気合い入りすぎたかなと、少し不安になる。
もしかしたら、これを恋というのかもしれない。
つばの広い麦わら帽子を被った私は、少し前の自分とはまるで別人に見えた。