さよならはまたあとで
家に着くと私はそのまま自分の部屋に駆け上がった。
本日二度目である。
「なんだ?」
お父さんの不思議そうな声が聞こえる。
「うーん、今日午後からずっと変なのよ」
お母さんの返事が聞こえる。
ベッドに突っ伏して、薄い掛け布団に包まる。
目を瞑ると思い出すのは律太との思い出。
もう、三人で居られないんだ。
なんでもない時間がどれだけ貴重だったか。
それは無くなってからしか気づくことができない。
失ってからじゃないと気づけない。