さよならはまたあとで
「…どのくらい知ってるの?」
「え?」
明良は突然ぽつりと呟いた。
「燈太の事故のこと、優恵はどのくらい知ってるのかなぁって」
彼は少し鼻声混じりに続ける。
「…少し、ニュースで見たくらい。実はよく知らないんだ」
私は燈太の写真を見つめた。
逃げてばっかりだったもんなぁ、私。
「俺さぁ、実はあのとき、事故現場にいたの」
彼はいつになく真剣な表情になる。
そんな彼に、私も少し身構える。