さよならはまたあとで

立ち入り禁止の文字を無視して、私たちは学校の屋上への扉を開く。

秋の風が私たちを包み込むようにして吹き抜ける。

湿っぽい夏の空気はもうどこにもなく、カラッとしていてほのかに肌寒い。

私は律太に向き合うと、頭を90度に下げた。


「律太!ごめんなさい!」


「な、なんだよ、急に。らしくないよ?」


懐かしい律太の声に涙がこみ上げそうになる。
それをなんとか我慢して私は続ける。


「私、なんか勝手に勘違いしちゃってたみたいで…律太のこと避けたりしちゃってごめんね」

『この話は律太から口止めされてるから内緒で』


明良の言葉が頭を過ぎり、私は言おうとした言葉を慌てて飲み込む。
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