さよならはまたあとで
「気になるレッテルが見えて。『使える道具』ってね」
『使える道具』…そんな風に彼が誰かから思われているということである。
「まぁ、案の定、何かあったみたいだけどね」
彼は複雑そうな顔をしてコップの水を飲んだ。
「ん、てことは律太のレッテル見たの?」
明良は普段眼鏡やコンタクトをあえてしないことでレッテルを見えないようにしているはずだ。
「まぁねぇ。恋のライバルだもん、気になるじゃん」
彼は無邪気にウインクなんかしていたが、その話し口調はなんだか悔しそうだった。