さよならはまたあとで

カフェを出ると、私たちはそのままそれぞれの帰路についた。


それは、死にたくもなるよね。


今日の小春さんの話と、この前の明良の話をふまえての私の律太への思いだった。


でも、絶対に死なせない。


同時に今まで以上に強くなった思い。


明良は別れ際に、「ちゃんと告白しなねぇ」と少し切な気に言っていた。


「言葉にしなくちゃ、何にも分からないんだから」


明良の言うことはいつも正しい。
そうだよね、言わなくちゃ。


今度、遊園地に出かけるとき。

そのときに必ず思いを伝えよう。

私は空を見上げて大きく伸びをした。
今日も青く澄み渡る空は、いつもより近く感じた。
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