さよならはまたあとで
ジェットコースター、お化け屋敷、シューティングゲーム、コーヒーカップ、メリーゴーランド。
私たちはどれに乗っている間も笑ってばかりいた。
「優恵って意外とビビりなんだね」
ソフトクリームを食べながら律太はニヤニヤと私を見て笑う。
お化け屋敷のことを言っているのだ。
「ビビりすぎてお化け殴るとか、さすが優恵」
そう、私はさっきのお化け屋敷で、恐怖心のあまり、思いきりお化けを叩いて逃げ出したのだ。
逃げる私の背中で、律太がお化けに謝るというシュールな状態に、お化け屋敷を出てから2人で大笑いした。
「律太だって、ジェットコースター乗る前に足震えてたくせに」
私も負けじと言い返す。
律太が怖くてずっと目を閉じてたの、私知ってるんだから。
「あれは人間が乗るものじゃねーよ」
調子よく笑い飛ばす律太に、私も呆れ顔で笑う。