さよならはまたあとで

ジェットコースター、お化け屋敷、シューティングゲーム、コーヒーカップ、メリーゴーランド。

私たちはどれに乗っている間も笑ってばかりいた。


「優恵って意外とビビりなんだね」


ソフトクリームを食べながら律太はニヤニヤと私を見て笑う。
お化け屋敷のことを言っているのだ。


「ビビりすぎてお化け殴るとか、さすが優恵」


そう、私はさっきのお化け屋敷で、恐怖心のあまり、思いきりお化けを叩いて逃げ出したのだ。
逃げる私の背中で、律太がお化けに謝るというシュールな状態に、お化け屋敷を出てから2人で大笑いした。


「律太だって、ジェットコースター乗る前に足震えてたくせに」


私も負けじと言い返す。
律太が怖くてずっと目を閉じてたの、私知ってるんだから。


「あれは人間が乗るものじゃねーよ」


調子よく笑い飛ばす律太に、私も呆れ顔で笑う。
< 221 / 256 >

この作品をシェア

pagetop