さよならはまたあとで


「あと乗ってないの、なんだっけ?」


ソフトクリームのコーンまでぺろりと平らげた律太が空を見上げる。


「…観覧車」


私はぽつりと呟いた。

私が律太に思いを伝えようと、ずっと決めていた場所だ。

あの観覧車の頂上で告白すると、その恋が成就するという話を渚がこっそり教えてくれたのだ。


「んじゃ、行こ」


律太に手を引かれ、私たちは観覧車に向かって歩き出した。

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