さよならはまたあとで

行きの電車よりも、帰りの電車は会話が少なかった。

私は律太の『好きになっちゃいけないから』という言葉ばかりが頭に突っかかっていた。

電車を降りると、私たちは駅で別れた。
肌を刺すような風に押されながら、私は家路についた。

溢れそうなくらい瞬く星たちを、私はぼんやりと自分の部屋から眺めて息をつく。
やがて私は窓を閉め、毛布に包まった。

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