さよならはまたあとで

私はお父さんに新聞を渡すと、封筒を手に自分の部屋へ戻った。


ハサミで慎重に封を切る。


ベッドに腰掛けて、封筒から便箋を引き抜いた。

ゆっくりと開く。



『遺書』



その文章は、この二文字から始まっていた。
私は慌てて手紙の最後を見る。


『芹崎律太より』


律太…


「遺書」は三枚の便箋にわたっていた。
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