さよならはまたあとで


「律太は!?」


私は辺りを見回した。


「律太君なら、さっき外に」


お母さんの言葉を最後まで聞かずに私はベッドから抜け出して走り出した。
途中、居場所くらいちゃんと聞いてくればよかったと後悔する。


律太は外というか、中庭のベンチに座ってぼんやりと空を眺めていた。


「律太!」


その姿を見つけて、私は叫んだ。
< 248 / 256 >

この作品をシェア

pagetop