さよならはまたあとで
葛城は律太が帰ったことを確認すると、黒いリュックを背負って私のところにやってきた。


「行こうか」


彼はそう言って歩き出した。

私は彼の三歩後ろを歩いた。

私たちが話す場所に選んだのは、学校からすぐ近くにあるファストフード店だった。

それぞれ飲み物を買ってボックス席に座る。

ここまで、私と葛城はほとんど言葉を交わさなかった。
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