さよならはまたあとで
「えと…律太君のこと律って呼ぶんだね」
甘酸っぱいオレンジジュースを一口飲んで、私はそう聞いた。
「あぁ、あいつとは中学生からずっとクラスも一緒でさ」
葛城はなんだかニヤニヤとしている。
気のせいだろうか。
「で、聞きたいことって?」
「えと、律太君…なんか悩み事とかあったりしないかなって」
一瞬、彼は驚いたように私を見つめ、それから声に出して大笑いした。
「なんだよ、そんなことかよ!聞きたいこととか言うから、恋の相談かと思ったよ」