からっぽのトランク
悪口を言う時の顔は醜い。
母親の和子もそうだった。
それから3年の間に11回転職し邦夫の私への
暴言と暴力が始まった。
私は精神を病みまさしく地獄のような日々が続いてしまった。
和子の言うように好きでなくても嫌いにならなきゃ夫婦はいいのだろうか。
ひとしきり暴力を振るったあとにいびきをかいて眠る邦夫の寝顔を見ていて私は
こんな奴!大嫌いだ!と心の底から自分の声で知ってしまった。
別れようと、決めたのだ。