キミと再会
「花山舞美です
長く日本を離れていたので
初顔合わせの方もいますね
花山の娘ではありますが
遠慮なく、意見をお願いします
私、ちょっと人と馴染めない性格ですけど
ショーを成功させるため
頑張りますので、よろしくお願いします」




チームに合流した舞美は、学生時代とは

まったく違い


ペラペラと挨拶をして、にこっと笑い

仕事の進行状況を聞いていた


俺の報告が終わると



「松波君とは、中学校からの同級生なの
仕事で組むのは、今回が初めてです」




舞美がイタリアに行っている間に

社員が随分入れ替わり

俺たちが同級生だと知ってる者も

少なくなった



なのに、わざわざ俺と同級生なのを
チームに言った





そして、休憩中


「那央 いつ結婚するの?」



あっ… 誤解解かなきゃ!



「そのことなんだけど」



「衣装作ってあげよっか?」



「え……」



「加賀見さんに麗のドレス頼んでさ!
私が、那央のタキシード作りたい!」





無邪気な笑顔を向けられたのは

間違いなく、中学校以来






俺が傷つける前の舞美


〝医者になりたい〟


そう言っていた舞美と同じ顔




加賀見さんとうまくいってんだな







「すげっ めちゃくちゃ自慢になるな!
麗に聞いてみるよ」


「うん!」








やっと……


元通りの舞美に


大好きな笑顔なキミに再会できた










キミの幸せを守る為



俺は、また嘘をついた






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