キミと再会
園田舞美だった頃

初めてコンテストに出した

青空ドレス


加賀見さんは、なんの賞もとれなかった
私のドレスを見て一目惚れしたって

あのドレスは、社内では評判よくて

私は、スタイリストチーフに抜擢された



物凄い昔話に感じるのは

私が成長したからかな?


いや、歳をとったってやつね



「舞美さん…ごめん
今日は、無理そうだ」



加賀見さんは、いつもの元気がなかった


「悪かったの?」


「んー もっと詳しく検査するからって
1泊だって… 一緒に夕食したかったな
楽しみにしてたのに」


「……なら、行くよ!
一緒に食べよう!」



加賀見さんの病院に電話して
無理言って私の分を作って貰った


「舞美さんまでお粥にしなくても…
それに… 少なくないか?」



病院に着くと、加賀見さんのご両親がいた

一緒に夕食を食べる私に


「もう、退院出来ないかもしれない
来てくれてありがとう」


「どうか あの子を笑わせて下さい」



深々と頭を下げられた




だから…



「ダイエットしてるの」


「は?太ってないじゃん!」



意味不明な嘘をついた


胃癌でたくさん食べれなくなったとか
言えない


私は、加賀見さんに何を返せるのかな







< 134 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop