キミと再会
【舞美】




「式は、しないことになったから」


「そっか
那央 おめでとう!」


「ありがとう
舞美は、うまくいってる?」



きっと…

加賀見さんとのことかな?



「うん」




毎日、残業せず病院へ通ってる



「今日もデートか?」


「うん!まあね!」




加賀見さんは、早く退院したいって

口を尖らせる



「毎日、一緒に夕食を食べれるのに?」


「んー ここじゃムードない!
オシャレで旨い店行きたい!」


スマホをいじり、素敵な曲を流す

部屋を暗くして

加賀見さんの食事の隣に私のを並べ


「おじゃまします!」


足側に座り、向かい合う


「乾杯しよ!」


お茶の入ったセラミックの湯呑み


コンッ


「ぷっ ムードねぇ音」


「いいの!!」


私がムキになると、嬉しそうに笑う


「このお粥から指輪が出てきてさ
舞美さんから、プロポーズされたら
俺、幸せ者だなぁ~」


「加賀見さん…する?」


「いやいや!願望だから!
その……同情でもいいって言ったけど
今、凄く幸せだから!」


「私も幸せになりたいの
加賀見さんが、してくれたらなぁって」


「……俺、この世の中の全ての生き物たち
皆から羨ましがられそう
幸せすぎる~」


「加賀見さん…感激屋だよね…」


「舞美さん!退院したら
俺の大好きな店で、プロポーズしていい?」


「うん!待ってる!」



加賀見さん


私があなたに出来ることは


嘘をつくことでした



もしも、元気になって退院出来るなら



もっとたくさん嘘をつくよ











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