それを愛だというのなら


結局お母さんに迎えにきてもらい、なんとか着替えてから病院へ。

すぐレントゲンとCTを撮られ、検尿と採血。たくさんの検査を受けてから、処置室に寝かされて点滴を受けた。

その間に寝てしまい、起きぬけのぼんやりした頭で、主治医の話を聞くことに。

まだ途中の点滴を腕に刺したまま、車いすで診察室に入った私は、難しい顔の先生の顔をみてうんざりした。

どう考えたって、愉快な話は聞けなさそうだ。


「腹膜炎と腸の狭窄が起きてしまっているみたいです」


手元のマウスを扱い、パソコンの画面にレントゲンとCTの画像が映し出される。

マジか。病気のコンボか。


「腹膜炎は手術するような深刻なものではなと思われるので、これから入院して絶食と点滴を続けましょう。そっちが良くなったら、腸にバルーンを入れてみます」


はい、はい、と隣でうなずくお母さん。

短い髪にメガネをした彼女のアイラインは汗で溶け、無残に下まぶたに転写されてしまっている。


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