それを愛だというのなら
「うまくって……」
これ以上、どううまくやっていけばいいの。
食事だって、お母さんは精一杯脂肪を除去して、手間暇かけて料理をしてくれている。
さっきから言っているように、体にいいことしか私はしていない。
これ以上、どうしろと?
「ストレスもこの病気には良くないですから。あまり考えこまず、安静にしましょう。では、入院の書類を」
出たよストレス。この病気自体がストレスだっつうの。
鼻チューブが嫌なら、口から液体栄養剤を飲む方法もある。
色々なフレーバーを混ぜて試してみたけど、どうしても受け付けない味と匂いで、私にはムリだった。
中学までは大好きだった揚げ物や甘いものも食べられず、体力がないからあまり運動もできず、どうやってストレスを解消せよと言うのか。
黙り込んだ私の乗った車いすを、お母さんが運んで診察室の外へ出る。
とっくに外来が終わる時間になったのか、病院内はほとんど人がおらず、しんと静まっていた。