それを愛だというのなら
6.どうしようもない
翌日、私は学校を休んだ。
健斗に会って、どんな顔をしていいのかわからなかったから。
結局あの花火大会のあとは、彼はちゃんと駅まで送ってくれて、迎えに来てくれたお母さんに心配をかけないように、涙で濡れて化粧が落ちてしまったのは、汗のせいだということにしておいた。
どうしよう。どうしよう。
私はバカだった。
生きるのも死ぬのも、私ひとりの問題じゃなかったんだ。
私が死んだら、家族が悲しむ。友達も、きっと。
わかっていたはずなのに、私は自分の人生だけを考えて、健康で短い命を取ってしまった。
「死神くん……いる?」
ひとりきりの部屋で、そう呟いてみる。
死神くんは死んだ人の魂集めで忙しいだろうけど、そろそろ姿を現してくれないかな。
昨夜は姿を見せるどころか、夢の中にも出てきてくれなかった。
「はあ……」
深いため息をつくと、昼間のはずなのに、部屋の中が暗くなった。
ハッとベッドに沈んでいた体を起こすと、枕元に彼は現れた。死神くんだ。