それを愛だというのなら
7.それでも私は
「まさか……たった一か月弱で、どうしてこんなことに」
病院で目を覚ました私は、見覚えのある部屋でベッドに寝かされていた。
この前来た時と同じ。処置室のベッドだろう。
すぐ近くにあるテーブルの上のパソコンを見ながら、主治医の先生がうなっている。
横に座ったお母さんは涙目で、その後ろに立つお父さんと秋穂の顔も強張っていた。
「レントゲンを見ると、あちこちに炎症が起きているのがわかります。再発の可能性が高い」
「そんな。前は綺麗になっていたじゃないですか」
「ええ。これを見てください。退院前のCTと大腸ファイバーの画像ですが、どこにも炎症は起きていなかった。この時点では、たしかに完治に近い状態だったんです」
ぼんやりとした視界に、まだたっぷり液の入った点滴のバッグが見えた。
秋穂がこちらに気づく。
「あっ、目を開けた」
「本当だ。瑞穂、瑞穂……」
膝をつき、顔をのぞきこんでくる二人は、既に泣いていた。