それを愛だというのなら


「あ、いえ、大丈夫です」


作り笑いをすると、看護師さんも微笑み、ナースステーションへ戻っていく。

私、またみんなに心配をかけてる。

心配しないで、なんて無理だよね。

私を想ってくれているからこそ、健斗は心配してくれていたんだ。

私はまた、大事なひとたちに気を遣わせる存在になってしまった……。

ちょっと落ち込みそうになるけど、首を振って何とか持ち直す。

そんなことで落ち込んだってしょうがないじゃない。

心配されなくてすむように、元気にならなきゃ。

完治しないと言われている病気だけど、安定した状態をなるべく保てるようにならなきゃ。


「あのう、すみません」


ナースステーションのカウンターに座る病棟クラークに声をかけ、担当看護師さんを呼んでもらう。

この前の入院の時に迎えに来てくれた、ショートカットの人だ。


「どうしたの?」

「あの、夜まで鼻チューブ抜いていていいですか」

「えっ? 出し入れが大変だから、入院中はそのままにするんじゃなかった?」


私はふるふると首を横に振る。


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