それを愛だというのなら


そんなどうしようもないことを考えながら、部屋のベッドに座る。

健斗に病室の番号をメールで送ると、すぐに返信が来た。


『今講習中。終わったらすぐ行く』


やっぱり、夏期講習を受けていたんだ。

途中でスマホで通話して怒鳴って、さぞや先生に怒られただろうなあ。よくスマホ没収されなかったね。

周りに白い目で見られる健斗を想像し、胸が痛くなった。

そして同時に、そんな彼をとても愛しく感じた。

健斗。私のために怒ってくれて、ありがとう。



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