それを愛だというのなら
8.それを愛だというのなら
死神くんとの契約を破棄して、二週間。
夏休みはもう終わろうとしている。
私はというと、すっかり死神くんと会う前の体に戻ってしまっていた。
消化吸収が得意でない上に真夏の暑さで食べられるはずのものも食べられず、体重はみるみるうちに減少。
指でつまめるのは皮だけで、胸にもお腹にも余分な脂肪はなくなった。
髪はぱさぱさで、目は見にくくなり、前にかけていたメガネを再びかけるように。
もちろん、健斗と前に話していたように、二人で遠出なんてとても無理だった。
暑い日差しの中では五分立っているだけで、倒れそうになった。
それでも、なんとか生きている。
「休み明けに登校したら、みんなびっくりするかな」
ぽつりと呟いたのは、自分の部屋で。
図書館まで行くのもしんどくなってしまった私は、自室で休み明けのテストのための勉強をしていた。
低く小さなテーブルの向かいには、健斗が。