それを愛だというのなら
それはシャン、と鈴のような音を立てながら、私の身体の細胞を作り変えていった。
みるみるうちに、手や足が一回り太くなっていく。
「わ……っ」
驚いて自分の腕や足を見ていると、お腹の痛みまでなくなっていく。
肋骨が浮いて見えていたデコルテにハリが出て、胸まで少し膨らんだ。
なにこれ、すごい。魔法みたい!
「明日からちょうど二か月後に、迎えに来る。悔いのないよう、精いっぱい生きろ」
死神くんがそう言うと、急に彼の顔がぼやけて見えた。
白いもやが、彼を包んで消していく。
それと同時、めまいのような感覚が私を襲った。
ちょっと待って。お願いだから、ただの夢だったなんて言わないでよ……。
そう思いながら、意識が勝手に離れていってしまった。