それを愛だというのなら
「急にむくみ始めたと思ったが、これはいったい……。体がひとまわり大きくなったようだ。浮腫というより、脂肪。まるで健康な人のようだ」
そう聞き、私はお母さんに握られていないほうの手を上に上げて見た。
そこには、今まで枯れ木みたいに細かった私の手はなかった。
細いけれど、適度に肉がついてハリがある、健康的な腕だ。
あれはただの夢じゃなかったんだ。
死神くんが、本当に私を健康体にしてくれたんだ──!
体中に力がみなぎるような、今まで感じたことのないエネルギーを自分の中心に感じる。
「とにかく、すぐCTを撮りましょう。放科に連絡して。準備ができるまでに採血を」
「はい、先生」
「それが済んだら、胃カメラと大腸ファイバー。内視鏡室の準備も頼みます」
看護師さんもわけがわからないと言った様子で、慌ただしく部屋から出ていった。