JEWEL~4人の暗殺者に囲まれて~

う、嘘でしょ
いやだいやだいやだいやだ

気がつくと私は母さんを刺した
組員を押し倒しナイフを奪って
振りかざしていた

「うわぁぁぁあ、きえろきえろきえろ、きえろおおおおお」

酷く低い雄叫びをあげ何度も何度も
ナイフを振りかざす

許せない許せない許せない
横でピクリとも動かない母さんを
見ると湧き上がる怒りを抑えることが
できなかった。

「くっ、紀美子おおお。咲なにやってるんだ!はやく逃げなさいはやく、っはやくぅ」

「はっ、っ」

父の悲鳴にも似た声に
はっとする…
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