王様の命令は?
「そんな見つめて、どうしてほしいわけ」
私の視線の先に気づいてるのか、ないのか。
意地悪そうな笑みを口元に浮かべている。
反対に私はきゅっと口を結んで、身構える。
あーもう。
なんで?
ほんと、楽しそうだな。
その顔、イケメンでも腹立つ!
ニヤニヤしないで!
やっぱり性格悪いよ、この男。
「い、いや、なんもしないで大丈夫です」
「へえ? さっきのアレじゃ物足りない?」
「近い近い! 距離縮めてこないで! 触んな! もっとそっち行ってっ!」
「うるせー」
いつだって余裕そうで、人のことからかって遊ぶんだ。
この王様は。