王様の命令は?


ゆっくりと身を起こして、匠のほうに顔を向けてみる。



違和感しかない。



ただでさえ狭い部屋なのに高身長な匠がいると余計部屋の狭さが際立つような気がした。




「入りますよ〜」




コンコンと扉を叩く音がして、顔をのぞかせたのはお母さん。



お茶が入ったコップやケーキを乗せたお盆を持っている。



私がこんなに視線送ってるのに全然こっちみない!



いつも以上にニコニコしてて、完全にお客様対応の顔だし。




「びっくりしたわよ〜。ぐったりした様子の娘がこんなかっこいい子におんぶされて帰ってくるんだもの。

こんな芸能人みたいな人、お母さんの学校にはいなかったわよ? モテモテなんでしょうね〜」



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