王様の命令は?
「ちょっと質問があって、久河さん呼んだんだけど……ごめん、もう匠のほう行っちゃって」
「そっか。でも、もう大丈夫そうだね。白岡くんの方が頼りがいあるもんね」
笑ってそう言われるけど私は全然笑い返せない。
久河さん、本当にそんなこと思ってる?
心からそう思ってるなら私は引っかかったりしない。
でも、気にしちゃうよ。
少し寂しそうに笑うんだもん。
せっかくの学校行事なんだから、どうせなら楽しくやりたい。
言いたいこと言えないまま諦めてしまうなんて、そんなの…もったいない。
「匠と一緒でやりづらいかもしれないけど……久河さんも言いたいこと言いなよ。決めごととかどんどん口挟んでいいと思うよ?」