王様の命令は?
くるくる回る夜のメリーゴーランド、想像以上で見惚れる。
心弾む軽快な音楽とキラキラ光る照明がまぶしくてすごく綺麗。
ぼんやり見つめながら、今日普通に楽しんでたなぁ私って。
この王様の隣でそんなことを思うとは。
「今日は何で来ようって思ったの?…私と2人で」
「……暇潰し」
ちょっと間をおいて、その答え?
自分で聞いておいて、急に緊張しだしてバクバクと胸の音がうるさいぐらいだった私。
ふっと笑っちゃう。
「会いたくなったって素直に言えばいいのにねぇ〜」
「はっ、どっちが」
「今日楽しかった!ありがとう!」
キラキラ光に照らされたその顔は、眉間も寄っていなければ、冷たい表情でもなく。
こっちを見て満足気な笑みを浮かべていて、私も口角があがる。
楽しいって純粋に思ってもらえてたら、いいななんて。
そんなこと思ってしまった。