王様の命令は?
「匠の弱点みっけられた?」
「へ?あ…本当に弱点なんてないんじゃないかと思っちゃうよねぇ、あはは…」
「どうしたどうした〜。弱気じゃん、珍しいなぁ。匠に落ちゃった?」
「……」
そんなわけないでしょ?
そうやって笑い飛ばしていたはずなのに。
少し前の私なら絶対に。
この前の遊園地だって、弱点見つけるどころか、普通に楽しんじゃったよね私。
隣のテーブル同士に座ってるので通路を挟んでやりとりをする私たち。
見つめられたままで沈黙が流れて数秒、志麻くんが口を開いた。
「え、まじで」