王様の命令は?
「よろしければお皿お下げしーー……あ!」
「え?」
びっくりして私と千紘は同時に声の方へと視線を向ける。
そこに立っていたのはこのお店の制服を着た久河さん。
今さっき話に出てきた人物の登場になぜか焦ってしまう。
び、びっくり……。
ドラマのような展開。
こんなことってある?
「わぁ、久河さんだ! ここでバイトしてるんだね! お疲れ様です〜」
「始めたばかりで…ゆっくりしていってね。鳴海さんも、また」
最後に私にも小さく笑みを向けてくれて。
頑張ってね、の意を込めてニコリとしながら手を振った。
何事もない風にいつも通りを心がけたつもり。
「久河さん見て思い出したけどさ、匠くんの元カノさんだって……知ってる?」