王様の命令は?
ローファーに履き替える前に千紘にそう伝えて、私は教室に戻る事にした。
やっぱり、気になっちゃって。
「久河さん!」
「え、あれ…忘れ物ですか?」
「あのー…気のせいだったらごめんね。さっき、何か話しかけようとしてた?」
あ、と小さく声を漏らす。
何のことかすぐにわかっているような表情になった。
どんな…話なのかな。
ちょっとドキドキ緊張する…
次の言葉を待つけど、教室がやけに静かで自分の緊張を余計に意識してしまう。