王様の命令は?
「柳瀬くんが大切に思ってるように、私にとっても千紘は大切な友達なの。だから……悲しい思いを長くさせないであげてね? もちろん、柳瀬くんも私の友達です」
「柚奈ちゃん……うん、ありがとうございます」
そう言って柳瀬くんはすぐ、千紘の元へといった。
反射的に逃げようとした千紘を隣に立っていた匠がタイミングよく遮って。
両隣に背の高いい男子2人に挟まれ、身動きが取れず悔しそうに顔を歪める千紘。
ちょっと無理やりだけど……話をしてもらわないと。
だから、ここは私も連れ出したい気持ちをぐっと抑えて見守るよ。
「もう俺どうしたらいい? 誤解だって必死に謝ってるし、傷つけたことを許してほしいって本当に思ってる。千紘、俺の目見て」