王様の命令は?



本人たちの感情が移ったように私までズキズキと痛い。




千紘と柳瀬くんは癒しでしかない。


お互いの名前を呼んで、楽しそうにする仲よさそうな2人が思い出される。




近くで見て羨ましいな、憧れちゃうなって思うぐらいにふたり、だんだんと似てきている仕草や口癖。




話し出すタイミングや笑顔、表情も似ていることに本人たちは気づいているのかな。



2人でいても快く私を輪に入れてくれるし、変に邪魔者扱いしない。


2人が作り出す雰囲気は他の誰にもできない。




「やだ……」





千紘の声が小さく漏れた。



この角度からは見えないけど、きっとあの無垢な瞳がまっすぐに向いているんだろうと思う。




千紘…柳瀬くん……



私にできることは名前を心の中で呼び続けながら見守るのみ。



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