王様の命令は?
「意地はって、ごめんなさい。私だけが好きすぎて、いつか飽きて離れられるんだろうなって考えたら一緒にいるの辛い…」
「そんなに千紘を不安な気持ちにさせたつもりないけど? 私だけが好きって言ってるけど、俺の方が好きなんだよ」
「〜っ、陸……っ」
安心したように、今でも泣き出しそうな柳瀬くんは大事そうに千紘を抱き寄せた。
優しく触れる。
愛おしくてたまらない。
そう、感じ取れるぐらい幸せな姿を見せてもらえてこっちまで泣きそうなんですが。もう。
結婚式でもなんでもない、普通の仲直りの瞬間なのに。
「素直な奴らだと思ったら、変なとこで素直じゃねぇな」
「ふふふ。仲直り、本当によかったよね」