王様の命令は?
さっと視線をそらして、目の前の千紘に意識を戻した。
昨日の放課後もそうだったけどさ、目が合うと呼吸が止まりそうになっちゃうのどうにかしてほしい。
さすがは、イケメン。
目力が半端ないのね。
「じゃあいくぞ」
匠の呼びかけで多数決が始まった。
執事喫茶は予想通り私と千紘以外の女子みんなが手を挙げていて、男子も数人チラホラ。
あーあ…これはもう決定なのかな。
「へえ、珍しーね、少数派? 女子は全員、匠の執事姿見たさで喫茶に挙手すると思ってたけど」
「着ぐるみ着てみたいって密かにずっと思ってたから!」
「なるほどね」