王様の命令は?


「ちょっと、どこまで行くの……っと」




突然止まってこちらに体の向きを変える匠。



隠しきれていないその圧につい怯んでしまい、一歩後ずさる。



悔しいけど、迫力に負けちゃう〜…っ



端正な顔立ちをしているから口を閉じてただ見つめられるといつもの何倍も怖さを感じてしまう。



だけど、視線を逸らすことができなくて。



その口が開くのを待った。




「俺の言うことは絶対だ」




私にミスコン参加を承諾させたこと、


クラスの出し物決めも最終的にはみんなを納得させて自分の選択通りにしたこと。




どれもこの男の手によれば思い通り。



白岡 匠というこの男、


絶対的存在につき取扱要注意人物。



忘れるな。



……匠がまとっているオーラがそう思わせた。



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