王様の命令は?
カタンとスプーンが皿とぶつかる音がした。
見てみると黙々と食べていた匠はもう完食。
「俺がなんだって?」
水を飲み終えた匠がスッと視線をあげて、私と目が合う。
べつに触れられてもないのにビクッとしまうほどの圧。
目力やばい。
あああ……私語彙力なさすぎだね。
でもこの王様を目の前にしたらそうなっちゃう。
「ユズが言うにはゲームのキャラに負けてるって匠は」
「へえ?」
声ひっく!
低い時って怒ってるよね?
そうなんだよね?
誰か白岡 匠の取扱説明書をください。
「俺のなにを知ってそんなこと言ってんだよ?」
「こ、こわ……っ!」
思わず隣にいる千紘にしがみつくと、心の声漏れてるよと小さく教えてくれた。
だって、怖い、この人!
そんな怒んなくたってよくないかー!