王様の命令は?
「は?」
「すみません、お断りします匠様」
「お前は断れない」
無駄に笑顔キープしてるところが怖いからヤメテ。
せっかくこっちが下手に出てやってるというのに、この王様ときたら……っ!
私にだって断る権利ぐらいあるでしょ!
「彼女になって一番近くにいれば俺の弱点も見つかるんじゃねえの?」
「……さっきないって自分で言ってた!」
「俺だって人間なんですけど」
そう言った匠が意外すぎて私は驚いた表情を向ける。
へえ…?
不得意なことぐらい人間誰にだってある。
この男も例外なく、か。