彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
(タイヤとコンクリートの、こすれ合う音がすごい!!)
それなのに、車内のゆれがほとんどない。
「あ・・・・」
ないというより、これはまるで――――――――!?
「無重力・・・・!?」
体験したことはないけど、一番近いイメージ。
「宇宙空間みたい・・・・!」
すべての物が止まっているように見えた。
「くっ!?・・・・はーはっはっはっ!」
「え!?」
ほんわかする気持ちでいたら、突然真横から声が上がる。
「くっ・・・ははははは!宇宙空間とは・・・!」
「し、獅子島さん!?」
見れば、獅子島さんが大爆笑していた。
ドリフトのおかげで引き離せたところで獅子島さんが言った。
「やれやれ・・・子供の発想には、日々驚かされる。」
「こ、子供って!これでも僕は~」
高校生!と言う前に、車が激しく音を出す。
ギュ、ギュ、ギューン!!
「え?な、なんです?無意味な加速が始まったような~・・・?」
「興奮するな、凛道。ところで、絶叫マシーンは好きか?」
「またその質問!?」
「先の質問では、ジェットコースターとしか聞いとらん。これは全く別の質問だぞ。」
「どちらも加速系だから同じでしょう!?」
「これまでの様子を見れば、平気か?久々に試したいことがある。」
「僕の話聞く気ないでしょう!?なにするの!?」
「飛ぶ。」
「は?」
ギュルルル!
そう言った男の視線の先を見て、体が固まる。
あるのは、ガードレールだから。
「はああああああ!?」
(ま、まさかこの男!?)
体ごとメガネのドSを見れば、いつもと変わらぬ表情で言った。
「昔、車であの反対側に飛んだことがある。」
「やっぱりぃぃぃぃ!?」
〔★誓約書がいるタイプのアトラクションだ★〕
「騒ぐな。スケートジャンプのようなものだ。」
「いやぁぁぁ!全然違いますよっ!?ジャンプのための台がないですけど!?」
「雨が少なかったので、下の川の砂利道も見える。良いクッションだろう?」
「無理無理無理!降ろしてくださーい!」
「凛道、龍星軍の掟を言ってみろ。」
「掟!?なんです、それ!?」
「『初代の言うことは絶対守る』だ・・・・!」
「聞いてませんよ!?」
〔★パワハラ発言だった★〕