彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「どこのどいつか知らねぇけど、派手に汚れたな、凛?」
「そうなんです。ハンバーガーとか、ポテトがぶつかったりで~あ!?」
廊下を歩きながら言う彼の言葉でハッとする。
「ご、ごめんなさい、僕!汚れた体で、瑞希お兄ちゃんに抱き付いて・・・」
慌てて、密着した体を離す。
離れたくなかったが、そこは我慢してはなれる。
しかし、離れるにしては遅すぎた。
「あああ!?瑞希お兄ちゃんのカッコいい服に赤とオレンジのシミがっ!?」
「あははは!ケチャップと、オレンジジュースか?気にすんな。」
ひぃい!?という私に、ゲラゲラと笑いながら許してくれる瑞希お兄ちゃん。
「ごめんなさい!これあとで、ちゃんと僕が洗濯を~」
「そうだな~凛の服と一緒に洗うか?」
「怒らないんですか・・・?」
「なんで?俺から抱きしめたんだぜ?気にしすぎなんだよ、ばーか。」
(だ、抱きしめたって・・・!?)
茶化すように言うと、私の首に腕を回すと、ほっぺとほっぺをくっつけて、ぐりぐりとこすってきた。
「!!!?」
「お、子供特有のモチ肌だなぁ~?」
(―――――――――――ふやあああああああ!?)
耳元で響いた声に、心の中で絶叫。
(頬ずりされたっ!!?)
〔★瑞希の不意打ち、凛は嬉しいダメージを受けた★〕
瑞希お兄ちゃんのにおいと一緒に、彼のぬくもりを直接感じる。
「お、おおおおお、お兄ちゃん!?」
「はははは!変な声出しやがって~なに照れてんだよ?」
「だ、だって、瑞希お兄ちゃんがこんなことするから・・・!」
「これぐれー兄弟なら普通だぞ?家庭愛に飢えてんのなぁ~?」
「ぁうう・・・」
(ズルいなその笑顔・・・でも、ラッキーだよね~♪)
大胆な行動をとる好きな人に胸キュンする。
愛されてるのだと自覚する。
〔★この場合、兄弟愛だ★〕