彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「なに言ってんだ、凛??」
「まさかお前、全身、食品まみれで、いたいというのか?」
「そうだぜ。そのままだと、気持ち悪いだろう?」
「いや、あの!そうですけど~違うんですよ!」
(一緒に、お風呂に入ろうというのがよくないのよ!)
しかも、瑞希お兄ちゃんならまだしも、獅子島さんでしょ!?
最初が好きな人ならともかく、獅子島さんとか怖いよ!!
何とか誤魔化そうと、焦りつつも言葉を絞り出す。
「ほ、ほら!一緒だと、お風呂が狭くなるでしょう!?」
「狭くねぇーよ。うちには皇助がいるから、キングサイズだぜ?」
「そうだぞ。野獣がいるから、風呂場は広い。瑞希が追加で入っても十分な浴槽だ。」
「ええ!?それは一緒に入りたいで――――――いや、入っちゃダメです!」
セクシーなラブロマンスにときめいたけど、さすがにそれは早すぎる!
〔★凛は誘惑に勝った★〕
「お気持ちは嬉しいですが、いけません!」
「伊織、嫌か?」
「俺はかまわん。」
「いやいやいや僕、とろいですし、獅子島さんが目上なので、立場もあるでしょう!?」
なんとか回避しようと、上下関係を口にしてみる。
「ほお、気をきかせるのか?」
それで獅子島さんの表情も変わる。
(いける!?誤魔化せる!?)
そう思ったのでアピールした。
「そ、そうですよ!先輩を差し置いて、後輩の僕が一緒にというのは良くないです!」
「ほう。」
「四代目としても―――――――・・・う・・・!?」
「凛道?」
熱弁ふるっている途中で、足元がふらつく。
「凛!?」
「あっ・・・・!?」
なにかにつまずいて、ひっくり返った。
「大丈夫か!?」
「は、はい・・・瑞希お兄ちゃんが支えてくれたので・・・」
背中から倒れると思ったけど、彼が私の腕を掴んで引き止めてくれたので転ばなかった。
瑞希お兄ちゃんだけじゃない。
「なにをしている?」
「獅子島さん!?」
眼鏡の先輩も、私の肩を支えてくれていた。
〔★ダブルブロックだ★〕