彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「あまり、俺や瑞希に手間取らせるな。」
「すみません、僕・・・うう・・・!?」
呆れる獅子島さんを見た時、自然と出てきた言葉。
「気持ち悪い・・・・」
「お前!俺を見て言ったな!?」
「落ち着け、伊織!お前がキモイって言ってねぇだろう!?凛、顔色が真っ青じゃんか!?」
不機嫌に戻りそうになった獅子島さんを、瑞希お兄ちゃんがなだめながら言う。
「どうした、凛!?どこが悪いのか、言ってみろ?」
「お、お兄ちゃん・・・・急に、胸やけみたいなのがしてきて・・・・!」
好きな人との言葉に、ありのまま伝える。
めまいのような、吐き気がして気分が悪くなる。
「気持ち悪いよぉ・・・・!」
「しっかりしろ、凛!?おい、伊織!まさかこれはー!?」
「ふむ・・・どうやら、車酔いらしいな?」
「車酔い・・・」
言われてみれば症状が似てる。
(まさか、時間差でくるなんて・・・!)
血の気が引いていくのを感じていれば、心配そうに瑞希お兄ちゃんが顔をのぞき込んできた。
「大丈夫か!?伊織の運転で酔ったのか?」
「お、おそらくは・・・」
「なにをやってるんだ、お前は。酔い止めぐらい飲んでおけ。」
「誰のせいで酔ったと思ってるんですか・・・!?」
「うむ、許しがたい敵だったな。」
「オメーのせいだろう、伊織!!」
〔★伊織は敵に責任を押し付けた★〕
「なにナチュラルに敵のせいにしてんだよ!?どんな運転したんだ、伊織!」
「キャンプ場を通ってきただけだ。」
「はあ!?お前、急斜面を降りてきたのか!?」
「え!?瑞希お兄ちゃんも知ってるんですか・・・?車でジャンプした話・・・?」
「って、凛も知ってるのかよ!?つーか、やっぱりオメーの運転に問題ありだったんだろう、伊織!?」
「何を言う。俺のおかげで、生きて車酔いした凛道に会えたんだろう、瑞希。」
「元気な姿で会わせろよ!」
「可愛い弟の世話が出来て嬉しかろう。そんなお前のために、凛道への薬を持ってきてやろう。」
「って、今ごろ酔い止め飲ませても遅いだろう!?」
「愚か者。事後の薬だ。用意してやるから感謝しろ。」
「半分はオメーの責任だろう!?って、待てコラ―!」
上から目線で言うと、さっさと住居スペースへと行ってしまう獅子島さん。
〔★伊織は逃げた★〕