彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
◇絶体絶命・眼光炯炯(がんこうけいけい)!元ヤン王子との夜!!
瑞希お兄ちゃんとの入浴体験から一夜明けても、私のドキドキは終わらなかった。
「なにしてんだ、凛?ぼーとして?熱中症か?」
「あ、いえいえ、大丈夫です!瑞希お兄ちゃん!」
「そう言って、油断するなって。今日は朝から暑いから、ポカリを手放すなよ~ほら。」
「はい、もちろんです!」
手渡された水分を抱きしめ、笑顔でうなずく。
本日私は、今日から始まる夏祭りの会場へときていました。
祭り初日ということで、朝から屋台の準備で大忙しです。
「凛、今日は頼むぜ?バイト代、はずむからな~?」
「いえ、僕、お金は・・・」
「わかってるって!小遣いってことで、いっぱいやるからなぁ~つーても、売れればの話だけど!あはははは!」
遠慮する私に、瑞希お兄ちゃんが笑顔で言う。
その顔にときめく。
「僕、頑張ります・・・!瑞希お兄ちゃんのために。」
「可愛いこと言ってくれるな?」
太陽の光を浴び、キラキラ輝いている彼に見惚れる。
湯船で心揺らした私は、今もゆれている。
(のぼせたせいとはいえ、思わず告白しそうになっちゃったけど・・・)
今思えば、モニカちゃんの突入があってよかった。
あれからしつこく、オネェさんからお風呂に誘われたけど、なんとか断った。
その直後に帰ってきた烈司さん達の尽力もあって、あの日のお風呂タイムは無事に終わった。
ヤマトは、烈司さんとしばらく話してた。
何を話したかわからないけど、彼にもプライバシーはある。
(なによりも、私のヒミツを守ってくれる貴重な人だからね・・・)
大事な友達だから失いたくない。
だから、呼ばれた理由も無理に聞くような真似はしなかった。