彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「がはははは!知ってんよ!」
「では・・・・これの名を知っている上での命名、あだ名ですか?」
(これって・・・)
「まーな!」
獅子島さんの指摘に、変わらぬ笑顔で会長は言った。
「前の時、良いって言うのに、アイスのお礼だって言って、掃除手伝ってくれただろう?あんとき、ちっちゃいのによく働くと感心してな~!よく働く男の子だなって思ったんだ!」
「それでどうしてチョコちゃんになるんですか!?」
「そこは、働きマンじゃないすか?」
「なにゆえ、チョコです?」
私と瑞希お兄ちゃんと獅子島さんの疑問に、豪快に笑ってから大原会長は言った。
「がっはっはっはっ!そりゃあ~動き方がチョコチョコしてたから、うちの娘らが『チョコちゃん』て言い出してよ!」
「そんな理由!?」
〔★提案者は娘だった★〕
「もしかして、嫌だったか?」
「もしかしなくてもです!あと、シーズン的に、チョコはとけますからね・・・。」
「まぁ、チョコちゃんは体系が細いからよかったぜ!太ってたら、くちばしがついてる奴だったな~!」
「僕ぁ、チョコボールじゃないです!」
「ちんまいのには変わりねぇけどなぁ~!がははははは!」
笑いながら言うと、私の頭をなでるおじいさん。
抗議したのは、私だけじゃなかった。
「会長、可愛いあだ名はやめて下さい!こいつ、これでも男らしいんですから。」
「瑞希お兄ちゃん!」
〔★瑞希は助け舟を出した★〕
「男相手に、可愛いとか禁句ですよ!?言われる側としちゃ、良い気持ちはしないんですから!女っぽくみられて、俺はどんだけ嫌な思いをしたかっ・・・!!」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
女の子のような見た目で苦労してきた瑞希お兄ちゃんならではの発言。
「そう言われるのは、凛も嫌なんすよ!?わかってんすか、会長!?」
「あ~いや、悪い悪い!そういうつもりはなかったんだが・・・・チョコチョコしてるからつい、な。ごめんよ、チョコちゃん?」
「その名前で謝りますか!?」
「いいじゃないか、凛道。ちょうど、コーヒーショップの屋台をするんだ。」
「獅子島さん!?」
「祭りの開催期間中だけ、そう呼ぶのもよさそうだ。なんせ、カフェインにカカオはよく合う。なぁ、チョコちゃん?」
「そう思うなら獅子島さん!口元抑えながら言うのやめてくれません!?」
「くっくっくっ・・・!興奮すると、溶けるぞ、チョコちゃん?」
「溶けません!」
私を溶かすのは瑞希お兄ちゃんだけよ!
〔★ある意味、すでに溶けている★〕